非常用具
ぶっちゃけどんな車にも必要なものです。公道を走るのに最低限備えておくべきものを紹介します。
発煙筒
普通についてますよね?ついてないとかありえないです。どうやって車検通った?(意外と車検では見られない)特に高速道路ですが 車が止まるようなトラブルがあったときはもったいないとか考えずに発煙筒は積極的に使おう。 自分の命を守るために必要です。ホムセンで1000円もしないし、そもそも車検で有効期限内の発煙筒装備が義務付けられているので、大人しくつけておきましょう。最近はLEDで光るタイプの発煙筒もあるっぽいですが、それでもいいと思います。電池切れには気をつけようね。
スペアタイヤ・パンク修理剤
絶対必要です。部内で回っている車などで純正スペアタイヤがない場合は適当なタイヤか余っているテンパータイヤを載せておきましょう。パンクしてもちょっとした距離なら交換することで帰れます。パンク修理剤はホイールにつくと後処理が面倒らしいので個人的にはスペアタイヤの方がいいのかなと思います。 スペアタイヤの空気圧も定期的に確認しよう
ジャッキ
そもそもジャッキがないとタイヤは交換できないんだわ。 パンタジャッキでもいい ので積んでおきましょう。ぶっちゃけタイヤ交換とかでパンタジャッキはしんどすぎるので使わないのですが、非常時はそんなことも言ってられないのであったほうがいいです。ない場合はマゾンで2000~3000円もあれば買えるので用意しておこう。ちなみにパンタジャッキは
- 高さが自由に変えられる
- 車重に耐えられるくらい頑丈な工具
なので実は工夫次第で色々なことに応用できるんですヨ。
十字レンチ
そもそもホイールナットが外れないとタイヤは交換できないんだわ。これも安いのでいいです。インパクトもなんか強そうでかっこいいけど、十字レンチをくるくる回せるとちょっと車いじりできそうでかっこいいと思う。僕だけですかね。社外ホイールはデザインによってかなりキチキチで作ってるものがあるので、それを見越して 薄口 の十字レンチを選ぼうね。
ブースターケーブル
バッテリー上がりって初めて経験するとこの世の終わりみたいな気分になるものですが(僕だけですか)、ブースターケーブルがあればなんとかできちゃいます。お財布に余裕があれば 100A以上のもの を買っておくと家車や一般車の救護にも使えたりします。長さは3mもあれば十分ですね。 ちなみに自分の車のバッテリーが上がったとき、近所のタイムズカーを借りてきてジャンプするとレッカーを呼ばずに済みます。非常時にはぜひ。 cf. ガソリン車をハイブリッド車でジャンプしないこと! ハイブリッドの方が壊れます。
牽引ロープ
非常時に車を引っ張るためのロープです。牽引ロープがあると道路上の変なところで車が止まってしまったり、近くにコンビニがあってそこでローダーを待ちたいときとかに車を数キロくらい移動できます。雪山では特に必須。基本的に自分の車の車重に対応したものを選べばいいですが、できれば 3トンくらい耐えられるやつ を買うとだいたいの車を引っ張れます。伸びないやつは牽引初心者には難しいらしいので、 伸びるやつ を買ったほうがいいらしい。伸びるとて難しいんだけど。
工具
メガネレンチ
スパナが最初に来ると思った?残念、スパナはほとんど使いません!メガネレンチというのは六角か十二角でボルト・ナットの6面全てを捉える工具です。一番基本的な工具。一方のスパナは6面あるうちの2面しか支えないので実はめちゃくちゃボルトを舐めやすい。どうしてもスパナしか使えないところにしかスパナは使わないように。メガネレンチに話を戻しますが、一番使い勝手がいいのが一端がメガネでもう一端がスパナになっているいわゆる コンビレンチ です。まずはこれを買いましょう。その後、オフセットが大きいメガネレンチとかも揃えておくと整備の幅が広がります。
スクリュードライバー
プラスとマイナスの2つを揃えておきましょう。プラスは電工ドライバー、マイナスは貫通ドライバーにしておくと良いかも。ドライバーのサイズとかあんまり気にしたことないですが、多分+No2と-6x100あたりのやつを適当に買っておけばなんとかなると思います。
プライヤー類
プライヤーとはものを挟むのに使う工具です。最低限持っておきたいのは ペンチ、ラジオペンチ、ニッパー です。 あっ!ニッパーはプライヤーじゃないし!ニッパーはものを切断するための工具だし! うるさい。あと個人的に好きなプライヤーを上げておくと、ロッキングプライヤーとかウォーターポンププライヤーとかですね。ロッキングプライヤーは片手が空いて便利だし、ウォーターポンププライヤーはでかいものを挟むときに重宝します。まあ最低限以上のプライヤーはゆっくり買い集めればいいと思います。
ラチェットハンドルとソケット
メガネレンチでボルトを回しているとしばしば日が暮れてしまいます。 光陰Bugattiの如し 整備力のステップアップに比例して工具もレベルアップしていけばいい、というのが基本的な考えですが、ラチェハンくらいは持っていても誰も怒りはしません。ラチェットハンドル(ないしソケットレンチ)というのは、ソケットと呼ばれる 先っちょを変えるだけで色々なサイズのボルトに対応できる という工具で、さらにラチェット機構がついているので 早回しができる というのがメリットです。ならラチェハンだけでもいいじゃん!というお声もありそうですが、ラチェハンにも
- ソケットはそこそこでかいのでどこにでも入るわけじゃない
- ハンマーで叩いて緩めるとかはできない(内部機構が壊れる)
という弱点があるので、メガネレンチは必要です。必須度こそ上記の工具には及びませんが、普段手にする頻度で言えば多分一番高い工具です。したがって あんまりにも安いものを買うとすぐ壊れてしまったり、使い勝手が悪くて整備効率が上がらない ので、ここはちょっと奮発しておきたいところです。2000円くらいのラチェハンでいいと思いますが、使い勝手にこだわりたい方はTONEとかコーケンのMADE IN JAPAN買ってもいいと思うし、首振りとかついてるやつ買ってもいいと思います。部内でもラチェハンは個性が出ますね。
作業用ライト
車部員は夜行性のため、夕刻以降に整備する習性があります。夜目がめちゃくちゃ利くならまだしも、一般車部員は視界確保のため作業用ライトを用意しておいたほうがいいです。整備一回につき数時間かかることは当たり前なので、ちょっと使ったら電池切れちゃって交換しなきゃいけない電池式よりは、初期コストはちょっと高いけど充電すれば繰り返し使える充電式の方が便利だと思います。またマグネットがついていたり、角度調節ができたりするライトが便利です。おすすめは これ 。同じようなやつならなんでもいいと思います。置き型以外だとヘッドライトも結構便利です。
マルチテスター
電流とか電圧とか測れるアレ。見たことありますよね?多分。車ではバッテリー電圧や電装品の疎通確認、暗電流のチェックなど色々なところで使います。乾電池の残量とかも分かるし、買っといて損はないね!
アーレンキー
六角レンチとも言われるアレ。ていうか業界によって呼び方が違うらしいな?東京の今川焼きが大阪行くと回転焼きになる的な感じなのでしょうか。ちなみに僕は大判焼き呼びです。アーレンキーが活躍するのは主に内装、それも社外品です。ステアリングの取り付けボルトとか車高調の減衰力調整とかにアーレンキーが必要になることがありますね。チャリンコではよく使う工具なので、クロスバイクとかスポーツ系チャリ乗ってる人は持っておきましょう。てか持ってるか笑
タイヤ
タイヤって全部黒くて同じに見えますが、全然違います。例えば夏タイヤとスタッドレスって遠巻きに見るとあんまり区別つかないけど雪上・氷上性能が全然違いますよね?目立たないパーツですが大きな違いが出るのがタイヤです。夏タイヤの中でもやはり性能差というのはあって、サーキットとかで一番求められるのはドライ路面でのグリップです。こういうヌポーシ走行向けのタイヤを総称して ハイグリ (ハイグリップタイヤ) と呼ぶこともあります。 KR20?なにそれ、エコタイヤ? 特に初心者のうちはグリップ不足だと車をコントロールすることが難しいので、 最初の一本目はよく食うタイヤがいいです 。食う、っていうのも業界用語ですね、よくグリップするという意味です。2024年時点価格とグリップを鑑みて総合的におすすめできるタイヤは
- TOYO R1R
- シバタイヤ TW180 or 240
- KENDA KR20A ( Aがつくほうね!! )
です。結構どのタイヤがいいかってそれだけで車部員は一晩中語り明かせる(ガチ)のですが、熱入れをしなくても食うこと、ピークのグリップが高くてハイグリらしい性能があることを基準として、かつお値段もお手頃となると上3つくらいかな~と思います。詳しい人、他におすすめあったら教えて。
車高調
車高調というのは車高調整機能を持ったサスペンションのことです。サスペンションはコイルスプリング(いわゆるバネ)とショックアブソーバ(俗に言うショック)から構成されていますが、車高調はこれらを交換して取り付けるパーツです。車高調をつけると車高を下げることができるので、車の重心を低下させて車の安定性を向上させることができます。ロールセンターとかそういう話もありますが、それに関してはもう少し車に慣れてきてからでいいでしょう。また大体車高調には純正よりも硬いバネがついてます。なぜ硬いバネが必要なのか?説明します。 タイヤが食うようになると、車はより速いスピードでコーナリングできるようになります。速く曲がろうとするということは、それだけ遠心力が強くなり、車は大きくロールする (コーナーの外側に傾く) ということです。ある程度のロールは車にとって必要なのですが、過度にロールするとグリップが損なわれたり、最悪の場合横転に繋がります。またタイヤのグリップが強くなるということはそれだけ車が素早く動きを変えるということです。 例えばあなたは今1mの長さの棒を両手に持っています。ひとつは1mmくらいの太さの棒で、もう一つは5mmくらいの棒です。棒を持ったまま手を左右に動かすと1mmの棒はビヨンビヨン曲がりますが、5mmの棒は割とまっすぐのままでいられますね。このとき1mmの棒の先端が左に寄って、これを右に戻そうと手を右に動かしても棒の先端はワンテンポ遅れて動きます。1mmの棒は自由にコントロールするのが難しいですね。でも5mmの方だと手を動かすと棒の先端もすぐについてくるのが想像できないですか?同じようなことが車にも言えて、足回りがぷよぷよすぎるとハンドルを切ってからワンテンポ遅れて車が動くということが起こります。例えばスピンする!と思ってハンドルを切ったとき、バネレートが低い (バネが柔らかい) 車では操作が間に合わない可能性があります。一方、バネレートが高い車なら機敏に動くので操作は間に合うかもしれません。つまり バネを固くすると挙動がクイックになる 、ということです。またバネを固くするとロール量も減るので、タイヤのグリップを活用したり、横転を防いだりする面においてもメリットがあります。 先程述べた通り、車高調はだいたいバネとショックが別々かあるいは分解できる構造なので、同じショックでバネの硬さを変えることもできます。ここをカスタマイズするのも車高調の面白さなのですが、最初は吊るし、つまり新品状態で付いているのと同じレートのバネで十分です。 車高調の選び方については色々考慮するべきことがあり、車種によってはその車種専用車高調がなく、他車流用が必要になる場合がある……など結構難しいことがあるので、先輩と一緒に探しましょう。
ブレーキ
ブレーキは車の運動エネルギーを熱に変換することで車を減速させる装置です。したがってスピードが上がれば上がるほど、ブレーキから出る熱は大きくなります。純正のブレーキパッドは街乗りでの性能を重視しているので、初期制動と言われる踏み始めのブレーキの効きが強いですが、ブレーキが熱くなってしまったときの制動力は控えめです。スポーツパッド(ブラじゃないよ)と言われる、スポーツ走行向けのブレーキパッドは、初期制動よりもブレーキが熱くなってきたときの制動力やブレーキを強く踏んだときの制動力を重視したものです。初心者のうちは飛ばさないから大丈夫!と思うかもしれませんが、案外ブレーキを頻繁に踏みすぎることがあり、また少しうまくなってスピードが乗ってくるとブレーキの限界を超えやすくなるので、パッドは変えておいた方がいいと思います。 パッド交換時はできればブレーキオーバーホールもやるといいですね 。
シート
速く走るため、また速く走っていても安全に車を動かすためには、強い横G・前後Gを受けているときでも安定して車の操作に集中できる環境作りが不可欠です。ドライビングポジションの改善はその環境作りの一つで、ステアリングラックやシートレールに加工を加えることがなければお金がかかることはありませんが、とても効果が高いです。しかしドラポジを改善したところで強いGがかかる環境ではそのドラポジを維持するのが大変です。そこで活躍するのがバケットシートと言われるものです。バケットシートは純正のシートに比べて窮屈な作りになっていますが、その分ホールド性が高いので車が激しく動いても体の姿勢を一定に保ちやすいです。 バケットシートの中には大きく分けてリクライニング機能があるセミバケとリクライニングがないフルバケがあります。サーキットを走るならば フルバケがいいです 。セミバケはリクライニングの都合上どうしてもホールド性がフルバケに加えて低いので、本格的にスポーツ走行をしようと思うと物足りなくなってきます。またシートレールが「底止め」といってシートの下からボルトで固定する方式であることがほとんどなので、シートポジションが下がりません。セダン、クーペならシーポジが下がらないことはあまり問題ではないですが、ハッチバックや軽バンでは深刻な問題です。一方フルバケはスポーツ走行に全振りした設計なのでホールド性が非常に高く、窮屈なイメージに反して長距離運転にも向いています。またフルバケは「サイド止め」といってシートの横からボルトで固定する方式であることが多いため、その分シーポジの調整範囲が広いです。またサイド止めはメーカーによってわずかな穴の位置の差しかないので汎用シートレールが多く、シートレールが安く済むというのもフルバケのメリットです。フルバケの注意点としては、ホールド性が高いため体にあったものを選ぶ必要があるということです。例えばBRIDEのフルバケはタイトな作りになっているので、大柄な人には向きません。一方でSparcoのフルバケはとてもゆるい作りなので巨人でない限りは実質ソファみたいな感じです。これは誇張ですが。欧米は大きくて国産はきつめというように、メーカーによってサイズ感の傾向がありますね。合うフルバケの探し方ですが、新品を試すならオートサロンがおすすめ。中古ならガレージオフとかアップガレージに赴いて試してみるとか、あとは先輩の車についているのを試すというのも有効です。 シートやシートレールには車検適合とそうでないものがあります。基本的に車検適合と謳うものでも個別では意味がなく、シートとシートレールがセットになって初めて車検適合になります。あんまり大声では言えませんが 純正シートがあるならばわざわざ車検適合にこだわる理由はない でしょう。あとシートレールは ダブルロック を選びましょう。シングルロックは不快そのもの。ボーちゃんもびっくり。この椅子、不快ッ! 長くなりましたので、シートについてまとめると、
- フルバケがおすすめだよ
- 必ず合うシートを選ぼう(オートサロン、中古屋、先輩の車)
- 純正シートが残ってるなら 車検適合にはこだわらなくていいよ
- ダブルロックのシートレールにしよう
です。フルバケも色々評判とかあるので、ぜひ先輩と相談しながら決めようね。